医療レーザーと言うとレーザーメスやレーザー脱毛を思い浮かべますが、歯科の領域でもレーザーが導入されて久しいのを御存知でしょうか。テクノロジーの進歩は凄まじく、歯科レーザーは今や珍しいものではありません。競争が激しく患者さんの意識も高い都心部の歯科医院では、当たり前のように置いてあります。
「レーザー」のイメージの良さから宣伝に活用する医院も少なくありません。「完全無痛」などとうたい、魔法の光で何でも治せるかのようです。ですが、当然ながらレーザーにも長所と短所があり、何でもできるなどという訳ではありません。ここでは、一般の方の為にレーザー歯科医療を受ける上でのちょっとしたマメ知識を紹介してみたいと思います。
「レーザーとは何か」という話は省きますが、要は波長の整った散乱しない光です。レーザーを物質に当てると、一部は反射して、残りは吸収されることで熱エネルギーに変わります。レーザーで物質に対して何らかの作用を施そうという時は、この熱を使っているわけです。
一般のレーザーメスなどでは、瞬間的な高熱で人工的な火傷を作って止血しながら切開していくので、出血が少ないというわけです(ただしこれは原理的としてはかなり乱暴な止血法)。
ここからお分かりのように、熱を使ってなんとかできることなら、レーザーでもできるわけです。今まで歯科で行われてきた治療なら、大概のことがレーザーで置き換えることが可能です。金属加工でも利用されているくらいですから、極端な話、技工(歯の詰め物や義歯を作ること)の分野でも利用できますし、実際に研究されています。 |